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非財務情報やSDGsに関する報告書の作成基準の動向について聞く

-ジェノヴェーゼGRI北米地域責任者との懇談会/企業行動・CSR委員会企画部会




経団連の企業行動・CSR委員会企画部会(小口正範部会長、森川典子部会長)は12月4日、東京・大手町の経団連会館で、GRI(Global Reporting Initiative)のアリソン・ジェノヴェーゼ北米地域責任者から、非財務情報や持続可能な開発目標(SDGs)に関する情報開示、報告の枠組みについて説明を受け、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。


■ GRIの役割

GRIは、民間企業、政府機関、その他の組織における非財務情報の報告に関する国際基準を策定するNGOである。GRIがこうした報告の枠組みを提示する理由は、社会的課題の解決に向けた民間企業の取り組みを、簡潔かつ比較可能なかたちで発信することが、ステークホルダーとの対話やイノベーションの創出につながると考えるためである。GRIの取り組みは、国際的に広く賛同を得ており、S&P500銘柄で非財務情報の報告書を発行している約400社のうち、約半数がGRIの基準で報告書を作成している。

現在の主な活動は、2016年10月に公表した新たな報告書の基準である「GRIスタンダード」の普及・促進である。17年現在、依然として約8割の企業が、前の基準である「G4」を用いているため、基準の切り替え期限としている18年7月に向けて、「GRIスタンダード」の実用性、有用性の浸透を図っていきたい。


■ 米国の非財務情報開示に関する動向

現在、世界中で非財務情報開示に向けた規制強化の動きが高まっている。特に13年から16年にかけて、非財務情報の開示に義務を課す例が多数みられるようになった。米国においても、ドッド・フランク法(金融規制改革法)をはじめ17の規制があり、州政府や地方自治体が社会的責任への取り組みを主導している。特に熱心に取り組むデラウェア州では、すべての企業に対して非財務情報に関する報告書を促す法律が可決する見込みであり、100万社以上がその対象となる予定である。こうした動きは、さらに拡大していくだろう。


■ SDGsに関する報告書基準の方向性

15年に国連が採択した、SDGsでは、企業に対してイノベーションを通じて社会的課題の解決に取り組むことを促している。SDGs達成のカギは、政府、企業・経済界、市民社会などのステークホルダーが相互に連携することであり、SDGs自体が、その連携を円滑にする共通言語となっている。

現在、GRIは国連グローバル・コンパクトと協力して、企業のSDGsに資する取り組みを効果的に報告する方法について検討を進めている。検討にあたっては、(1)SDGsのターゲットと直接的に結びつくものであり(2)容易に理解でき(3)シンプルであり(4)データの蓄積によりすべてのユーザーがアクセス可能――という4つの点を重視している。現在、SDGsに資する事業活動のリスト化、SDGs報告書のベストプラクティスの収集を行っており、今後、SDGsに関する報告を現存のGRIの枠組みに落とし込む方法を検討していく。

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講演後の意見交換では、SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)の動向や、企業間や業界間での連携事業に関する報告のあり方などについて質疑応答があった。


本稿は「経団連タイムス2018年1月18日」記事より転載。

http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2018/0118_04.html


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